小学6年生と中学3年生を対象に4月に実施した文部科学省の全国学力・学習状況調査について、群馬県教育委員会は29日、県内の結果を発表した。調査は国語と算数・数学で実施され、小6では両教科とも平均正答率が全国平均を下回った。
対象は小6が約1万4300人、中3が約1万4700人。
県教委によると、小6の国語では、文学的な文章の精査や解釈といった「読むこと」の領域で平均正答率が全国を上回った。一方、目的や意図に応じて伝えあう「話すこと、聞くこと」や「書くこと」に課題があった。算数では「計算」「図形」「データの活用」など4領域すべての平均正答率が全国を下回った。計算や関数の理解など知識や技能に関連した設問で課題がみられたという。
中3では、国語の「書くこと」「読むこと」の領域で平均正答率が全国を上回った。一方、話の展開をとらえながら他者の発言と結びつけて考えをまとめる「話すこと、聞くこと」の設問に課題があるという。数学では「図形」「関数」の領域で全国平均を上回った。だが「統計」で用語の理解や問題解決の方法を数学的に説明する点で課題がみられた。
調査ではアンケートもあり、パソコンやタブレットなどICT(情報技術通信)を活用しながら課題解決や学びを深める活動は全国平均よりも多かった。ただ、「困りごとや不安を先生らにいつでも相談できる」と答えたのは平均以下だった。
県教委は今回の結果をうけて分析部会などを設置し、改善につなげるという。(高木智子)